技術・工法

SSL永久アンカー工法

SSLアンカー工法は、さまざまな地盤に応じた全く新しいカン合(嵌合)機構[拡孔支圧型アンカー体]を形成することより、従来の周面摩擦型アンカーの弱点であるアンカー体と定着地盤との進行性劣化を克服しました。SSL永久アンカー工法は拡孔支圧型のP型・M型,摩擦型の改良である先端圧縮型のCE型の3工法からなります。

施工手順(P型の場合)

1.削孔

適切な定着地盤を確認し、十分なスライム排除を行います。

2.ケーシング一部引き上げ

所定の位置までケーシングを引き上げます。

3.拡孔ビット挿入

拡孔ビットを挿入します。

4.拡孔作業

拡孔ビットにより、所定の区間を確実に拡孔します。

5.拡孔部孔内洗浄

エアリフトにより、十分に孔内を洗浄します。

6.テンドン挿入

テンドンを挿入します。

7.ケーシング一部引き上げ

芯抜き閉塞部より上までケーシングを引き上げます。

8.グラウト注入

シースパイプ内より、パッカーにグラウトを注入します。

9.緊張・定着

グラウトが所定の強度に達したのち、試験を行い定着します。

10.頭部処理

オイルキャップを取り付け、防錆処理を行います。

ジオファイバー工法

ジオファイバー工法とは、環境に優しい法面安定工で、

  • 「連続繊維補強土工」
  • 「地山補強土工」
  • 「植生工」

これら3つの工法を組み合わせた『連続繊維複合補強土工法』です。
連続繊維補強土工は、砂質土と連続繊維(ポリエステル)をジェット水とともに噴射・混合させて、法面に厚い土構造物を構築します。
また地山補強土工は地山内に鋼棒の抵抗体を埋め込むことで、地山自体の抵抗値を高めるとともに、連続繊維補強土と地山との一体化をはかるものです。
また、植生工は、連続繊維補強土の表面に施し、樹林化など質の高い植物環境を形成させるものです。

工法の特徴

ジオファイバー工法の大きな特長は、砂質土と繊維を混合した連続繊維補強土にあり、擬似粘着力の付与により、せん断強度が大きく粘り強い土構造物が法面を保護します。従来のブロック積み擁壁やモルタル・コンクリート法面にはなかった、緑豊かな景観や自然環境にやさしい法面を創造します。

ブロック積み工に代わりジオファイバー工法で擁壁形状タイプを施工
連続繊維補強土の
施工状況
施工完了後、
緑の法面が完成
工法のメリット

せん断力の強い強靭な土構造物を創ります

  • 砂質土に連続繊維を混入させた連続繊維補強土は、せん断強度の増加や耐侵食性を有し、法面保護用補強土として有効です。
  • 急勾配法面にも、厚い土構造物を安定的に造成することが可能です。
  • 連続繊維にはポリエステルを使用し、通常の使用条件のもとでの十分な耐薬品性および耐熱・耐寒性を有しています。
  • 「地山補強土工」と 「連続繊維補強土工」、さらに「植生工」を組み合わせることで、安定した法面環境を創造することができます。

植生の導入が容易です

  • 分厚く築造された連続繊維補強土内には、植物の根系が奥深く伸長することができるため、草本植物から木本植物まで、緑化目標に応じてさまざまな植生の導入が可能です。
  • 植物の導入方法は、種子による導入や苗木・枝などの植裁も可能で、周辺環境と調和した質の高い緑化を実現します。
草本による緑化
苗木植栽工
木本植物導入による緑化

多様な崩落形態に対応できます

  • 連続繊維補強土は、砂質土に連続繊維を現位置で混入して築造するため、築造形状は自由度が高く、 凹凸のはげしい地形などにも築造できます。
部分的に崩壊した法面
ジオファイバー工法で
原形復旧

機械施工で後期の短縮が可能です

  • 連続繊維補強土の施工機械は、「ハンディータイプ」と「ロボットタイプ」があり、施工規模・施 工条件に合わせて効率的な機械化施工が可能です。
ハンディータイプ
ロボットタイプ

資源の有効利用が可能です

  • 連続繊維補強土に使用する砂質土は、砂質系現地発生土を有効利用することが可能です。
現場発生土(マサ土)
現場発生土をふるいで
調節して有効利用
  • 連続繊維は、回収ペットボトルを原料とした再生繊維を使用し、資源の有効活用をしています。
日常生活で利用された
ペットボトルを回収
回収ペットボトルを
原料とした再生繊維
再生用プラスチックペレット
再生排水材